ここ数日、「偽基地局」と呼ばれる非常に不穏なものが話題になっています。
偽基地局とは、その名の通り、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天といった正規のキャリア(通信事業者)が提供していない、第三者が設置した偽物の携帯電話基地局のことを指します。
この偽基地局は、周囲にある正規基地局の電波を妨害し、一時的にスマートフォンを圏外にしたうえで、偽基地局へ 2G(GSM)通信を使って接続させる仕組みのようです。
2G 通信はセキュリティが緩いため、それを悪用して通信内容が傍受されて情報が盗まれたり、SMS などが勝手に送信されたりする可能性があるとのことです。
そのため、このようなリスクへの対策としてスマートフォンの 2G 通信を無効化することがあげられています。
日本では 3G 通信のサービスが既に終了しており、もちろん 2G 通信のサービスも提供終了。
しかし、2G 通信は緊急通報で利用されているそうな。
そうなると、「無効化してしまったら何かしら影響が出るのでは?」と心配になります。
調べてみたところ、iOS および iPadOS 標準の「ロックダウンモード」、Android OS 標準の「2G を許可」の設定を使用して無効化した場合、緊急通報には影響がないとのこと。
ただし、iOS および iPadOS ではバージョン 16 以降から搭載し、Android OS では各メーカーにより対応状況が異なるようです。
iOS および iPad OS での対処
iOS および iPadOS で「ロックダウンモード」を有効にするには、設定アプリから「プライバシーとセキュリティ」>「ロックダウンモード」と進み、「ロックダウンモードをオンにする」をタップすれば設定できます。
ただし、ロックダウンモードを設定すると、一部アプリなどが正常に動作しなくなるそうなので、設定するかは慎重に考えた方が良いかもしれません。
ロックダウンモードの設定方法や詳細な内容は下記ページで解説されています。
この他、「音声通話とデータ」にて 2G(GSM)を含まない項目を設定する方法もあるようですが、筆者の iPhone(iOS 18.4.1)ではそもそも 4G と 5G 以外の選択項目がありませんでした。
Android OS ので対処
Android OS では、設定画面から「ネットワークとインターネット」>「SIM」>「キャリア名(NTT DOCOMO など)」と進んでいくと、下の方に「2G を許可」という項目があるので、これをオフにします。
しかし、先程も書いた通りメーカーによって対応が異なるため、この項目がない機種もあります。
その他に、OPPO や Huawei などの海外メーカー製の一部スマートフォンでは、偽基地局をブロックする機能を独自で搭載している場合もあるようです。
最終手段として「優先ネットワークの種類」で 2G(GSM)を含まない項目を設定する方法もあるようですが、これだと緊急通報に影響が出そうですし、これも機種によって設定できる項目が異なります。
また、「優先」なので完全に無効化されていない可能性もあります。
なお、海外ではまだ 2G 通信を使用している国があるらしく、2G 通信を無効化するとそういった国々では通信ができなくなる可能性があるので、海外へ行く予定のある人は無効しても問題ないか、事前に確認した方が良さそうです。
この問題について調べていたところ下記記事を発見。
2G 通信の脆弱性は数年前から問題視されていたんですね。